次世代型土づくり肥料

1.米づくりは土づくりから


「玄米600kg/10aを生産した場合の養分吸収量」

稲の穂を良く見て下さい。中心になる一次枝梗と、枝分かれしている二次枝梗があります。

稲は好んでケイ酸を吸収する植物です。ケイ酸分を供給する土づくりは、高品質・高収量を目指す米づくりの基本です。
反収600㎏のお米をとるには、毎年120㎏のケイ酸が必要です。
何とNの10倍、Pの20倍もの量!

ケイ酸はどこから供給されるのか。

1 土壌から 60~65%
2 潅漑水から(河川水) 20~25%
3 生ワラ、堆肥から 2~5%
4 けい酸肥料(土づくり肥料)から 10~20%

ここで肥料からの吸収ケイ酸量が少なくなれば、生育は劣り、減収します。
“たかが20%、されど20%”は重要ポイント!

2.ケイ酸不足のイエローカード

 潅漑水中のケイ酸含有率の低下が、各地で問題になっています。ダム建設による湖底へのケイ酸の沈澱、河岸の整備でケイ酸の溶け出す量が減少したことなどによるもので、かつての半分位になったとの話も聞かれます。
天然供給量が減少すれば、けい酸肥料で供給しなければなりません。これまで土づくり運動の中心は、土改資材の200㎏施用が広くすすめられてきました。しかし、労力の面から実行されず、年々減少しています。

3.省力、高機能の「次世代型土づくり肥料」く

◆ けい酸加里にりん酸肥料などを組み合わせた高機能型土づくり肥料
けい酸加里の高い肥効にりん酸や鉄などを組み合わせることで、少量施肥が可能な総合的な土づくり肥料が誕生しています。
1 食味・品質向上に役立つ 各地の試験で食味向上が実証されました。
2 少量の施肥量で効果が得られ、省力的 60㎏~80㎏が中心ですから、機械散布できないところも散布できます。
3 肥料の吸収効率が高い 加里と結びついていた小さなケイ酸分子ですから両方効率的に吸われます。また、く溶性加里ですから必要なだけ吸われます。
4 面積あたりで低コストを実現 施肥量が少ないので、面積当たりトータルコストが下がります。
5 環境への負荷を高めない 稲が吸収する必要な成分しかないので、塩基バランスを崩さず、施肥量も少ないので環境保全に役立ちます。
◆ けい酸加里入り次世代型土づくり肥料一覧表
県 名 名 称 成 分 けい酸加里
配合割合(%)
P K Mg Si B Mn Fe
青森県 シリカリン38 20 7 5 11 0.03 40
宮城県 ケイカリン 12 12 5.6 18 60
秋田県 シリカリン 13 11 5 17.5 60
山形県 天の恵み 2号 5 5 4.5 22 30
福島県 ケイカリン 12 12 5.6 18 60
茨城県 ケイカリンプラス 18 8 6 12 40
栃木県 地力アップPSK 20 8 4 12 42
新潟県 ニューソイル元気 14 5 4 17 57
石川県 B・B・PKけいさん 13 11 4 17 0.05 60
B・B大地パワー 6 13 6 26.5 68
岐阜県 味力アップM 6.5 6 5 20 7 35
味力アップF 3 6 6 20 12 35
広島県 土楽園 4 8 3 17 40
徳島県 阿波カリン 12 12 5.6 18 60
阿波ロマン 12 12 4.5 18 60
長崎県 BBケイカリン 12 6 5.6 18 60
宮崎県 ヒムカリン 12 8 8.5 24 0.04 40
鹿児島県 鉄入り大地一番 16 7 4 11 10 37
◆ 次世代型土づくり肥料の効果

 次世代型土づくり肥料の効果を確認するため1999年の夏の盛り、全国23県97ヶ所で根量を調査しました。これには生産農家、JA・普及センター関係者、約1000人もの方が立ち会い、根の発達の歴然たる違いに驚きの声が上がりました。

次世代型土づくり肥料区の特徴は次のようでした。

 1.全体として根が多い
2.健全根が大である
3.真綿のような根毛が多く、栄養吸収力が強い
4.下葉の枯れ上がりが少ない
5.止葉が直立している

使った人の声から

栃木県JAうつのみや上三川地区農家
【地力アップPSK】を使って

「地下部の根量の差が、こんなにあるとは思わなかった。茎が硬く丈夫な稲になりました。」
新潟県JA北越後東地区農家
【ソイル元気】を使って

「茎や葉が硬く丈夫な感じがした。根の張りがはっきり違い、倒伏も少なかった。従来の土づくり肥料よりも散布量も少なく、稲姿は葉が立ち、増収し、品質もほとんど1等米であった。」
岐阜県JAはしま・営農指導課
【味力アップ】を使って

「稈が硬くなり、根張りも良かった。倒伏軽減に効果がありそう。ハツシモは昨年台風で大部分が倒伏し、大きな被害がでたので大変心強い。」