肥料製品情報
けい酸加里は水稲・畑作物・花卉の品質・収量向上に貢献します。
水稲に対しての効果
ケイ酸を多く含むイネは光合成能力が高くなり、不稔になりやすいイネの二次枝梗の登熟を促進させます。
また、加里はでんぷんをモミへ運ぶ重要な役割を果たし、籾中の加里が充実することでコメの粒張りが良くなり、大粒の割合が高くなります。
これらケイ酸と加里の相乗効果によって、登熟が向上し、品質・収量の高いコメの生産が期待できます。
光合成によって葉で作られたでんぷんが根に送られ伸長を促進させます。
ケイ酸はイネの葉をピンと立たせる事で受光態勢を改善し、加里は日照不足時の光合成を促進させ、植物体内の養分を各部位へ円滑に運ぶ働きがあります。
けい酸加里の施肥により根張りが向上が期待でき、丈夫なイネづくりに役立ちます。
イネは品種特性、窒素過多や密植などの栽培条件に、日照不足や病害虫の発生などの環境条件が重なることで茎が弱くなり、この状態で雨や風などの外からの力が加わると倒伏が発生してしまいます。
ケイ酸は茎葉に含まれるケイ化細胞を強化し、加里は細胞内の水分を高く保つことで、茎葉が太く硬くなるため倒伏の軽減が期待できます。
畑作物に対しての効果
畑作物は加里を多量に吸収する作物が多く、速効性の加里(硫酸加里、塩化加里)では必要な時期に十分に加里が供給出来ていない場合や、必要以上に施肥をしてしまい生育障害などが発生する場合があります。
く溶性で緩効的な肥効のけい酸加里は、加里の作用を十分に引き出し、その他含有するケイ酸、苦土、ほう素との相互作用も加え、作物の健全な生育、品質・収量の向上や鮮度保持などに役立ちます。
く溶性加里が土壌にやさしく働きます
けい酸加里には水溶性の成分が含まれていないため土壌からの流亡・溶脱が少ないです。
また、硫酸分や塩素分を一切含まないため土壌の酸性化やEC(電気伝導度)を高める心配がありません。
水溶性の成分は雨水や灌水などで溶けるため、施肥後すぐに作物に吸収されますが降水量が多い場合は、下層へ養分が溶脱し作物への供給が不足する可能性があります。一方でけい酸加里に含まれるく溶性の成分は、土壌中の弱い酸により溶け出すため、安定して肥料成分を作物に供給することができます。また、けい酸加里は原料に硫酸分や塩素分を含まないため、土壌の酸性化やECの上昇による生育障害を起こしません。
けい酸加里について
作物の生育に合わせて、効率よく吸収
けい酸加里の原料には石炭灰の他に加里分として塩化加里を電気分解して塩素分を除去した苛性加里を使用しています。
これらの原料が製造過程によって、 作物の根から出る薄い酸(根酸)に溶ける「可溶性ケイ酸」と「く溶性加里」に変化します。
項目 | く溶性加里(C-K2O) | 水溶性加里(W-K2O) |
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肥料名 | けい酸加里 | 硫酸加里、塩化加里 |
溶け方 | 2%クエン酸(酸性水)に溶け、水に溶けない | 水に溶ける |
効き方 | 緩効性 | 速効性 |
作物の利用率 | 高い 作物の根酸や土壌中の酸で溶け、無駄なく吸収される |
く溶性よりも低い 水にすぐ溶けるので吸収も早いが、肥え切れも早い |
濃度障害 | 起こりにくい | 起こりやすい |
土壌からの溶脱・流亡 | 少ない(環境にやさしい肥料) | しやすい |
施肥方法 | 基肥1回施用で、追肥を省力できる | 栽培期間の長い作物では、追肥が必要 |
土壌酸性化 | しない(アルカリ性肥料) | しやすい(硫酸分、塩素分を含むため) |