植物の三大要素(窒素、リン酸、加里)の一つである加里は、光合成や炭水化物の蓄積、タンパク質の合成、水分調節、開花・結実の促進などに関与し、作物の収量、品質、食味、栄養に影響を及ぼす重要な成分です。加えて、けい酸加里は土壌中の有機酸や根が出す根酸などの薄い酸に溶ける 肥効持続型(く溶性)肥料 なので次のような特長があります。
1.施肥効率が高い
長効きするので、作物の生育に合わせて肥料成分が効率よく作物に吸収されます。
2.省 力 化
基肥施肥時に追肥分もまとめて施肥しても、濃度障害の心配がなく施肥回数を減らせます。
3.環境にやさしい
けい酸加里は、く溶性のため水に溶けず、雨水や、かん水によって流れ出すこ とがありません。(河川や地下水などを汚染しない肥料です)
く溶性は、作物の根から出る根酸によって溶けるので、必要なだけ吸収され、加里で問題になる「ぜいたく吸収」がありません。
4.土壌を荒らさない

「加里の施用量ときゅうりの発芽率」
(宮崎総農試)
土を酸性化する成分を含んでいないので、安心して使用できます。
施肥量を多くしても土壌の塩類濃度を高めず濃度障害をおこしません。
5.肥料分をムダにしない
塩素分、硫酸分を含まないので、土壌中の有効成分(苦土、石灰)が塩素分や硫酸分と結びついて流出することがなく、ムダになりません。
6.相 乗 効 果
加里の他に、ケイ酸、苦土、ホウ素を保証成分として含んでいます。
ケイ酸 : |
ケイ酸を多く吸収する水稲では、倒伏の軽減や粒張りの良いおいしい米づくりに役立ちます。 |
苦 土 : |
葉緑素の構成要素であり、作物体内でのリン酸の移動を助けます。 |
ホウ素 : |
作物の細胞壁の維持や根の発育を助けます。特にホウ素要求量の多いダイコン、ブロッコリーなどのアブラナ科の作物に効果が期待出来ます。 |
7.肥料成分がバランスよく吸収される

「作物体の塩基構成比」
(島根農試など7ヶ所で行ったキャベツ、レタス、だいこん、きゅうり、いちご、牧草の6作物平均)