園芸作物への施用効果事例

表A.葉菜類

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
レタス 生 理 ・育苗の根量多くなり、耐寒性が増した。
品 質 ・けい酸加里入り有機配合施用で、玉の形がよく、締まりが良かった。
・生体重調査では、けい酸加里区の減少率16%に対し、慣行区は、20%、貯蔵性を高めた。
白菜 生 理 ・結球の締まりが良くなった。
ほうれん草 生 理 ・雨よけ栽培の連作による塩類障害が軽減された。連作しても根張りはよかった。葉色が濃く、葉肉が厚くなった。
品 質 ・品種アクティブの生体重変化を調べた。けい酸加里区の減少率は、33%、慣行区は38%で、鮮度保持効果がみられた。
キャベツ 生 理 ・レッドキャベツの生育がよく、増収した。アントシアンの発生が早くから始まり、その色も濃くなった。
玉ねぎ 生 理 ・育苗床で根の張りが良くなり、葉が丈夫で硬く、良苗生産に役立った。
・火山灰土壌で根の発達がよく、葉枯れが少なく、増収した。
・追肥の省力効果に好適だった。
品 質 ・玉締まりがよくなり、貯蔵性が増大した。
にら 生 理 ・株当たりの葉数が多くなった。
品 質 ・水分蒸散量の減量が少なく、日持ちが良くなり市場性が向上した。
ねぎ 生 理 ・葉ねぎの根は白く、太くなり収穫時、細根が多かった。
・葉ねぎを2.5作栽培するが、葉折れが少なく、葉色も濃く、つやがあった。
品 質 ・九条葉ねぎの葉折れが少なく、一本の葉数が増えるので市場性が高くなった。
・下仁田ねぎでは葉身長く、葉鞘茎が太くなった。
・東京夏黒では根張りがよく、軟白部が太くなり、秀品率が高くなった。
・秋冬長ねぎの軟白部が、0.6~1.0度高くなった。
しょうが 生 理 ・葉枯れが少なくなり、品質が向上した。
品 質 ・ハウスでの連作障害の軽減効果が大きかった。
ブロッコリー 生 理 ・収穫物のマグネシウム、ホウ素は外葉で高く、この結果収量が12%増収した。
みょうが 生 理 ・肉質が硬く絞まって、香りも良く、品質が向上した。
らっきょ 生 理 ・葉先の枯れ上がりが少なかった。

表B.果菜類

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
トマト 生 理 ・収穫開始時期が早まり、上物率が向上した。
・けい酸加里区は細根が多く、根張りが良かった。
品 質 ・果肉の締まりがよくなり、鮮紅色のものが多く穫れた。
・雨よけ栽培で糖度が高くなった(慣行区8.7に対し、けい酸加里区は9.6)。
きゅうり 生 理 ・ケイ酸との拮抗により、ブルームレス台木品種に出やすいマンガン過剰症が軽減され、増収した。
品 質 ・鮮度保持効果が大きく、市場性がアップした。
いちご 生 理 ・追肥回数を削減できた。
メロン 品 質 ・カリは果皮に多く(ネットの2倍)、ケイ酸はネットに多く含まれ(果皮の約3.7倍)ている。
・鮮やかなネットが張り、品質が向上した。また糖度も高くなった。
ピーマン 生 理 ・根張りが良くなった。
品 質 ・鮮度保持効果が大きかった。
なす 生 理 ・草勢の強いものができ、収穫期間が長くなった。
・初期の収穫割合が高くなり、市場性が高まった。
品 質 ・果色が濃い紫色となり、肌つやのよいものができた。
・肉質が緻密で、評価が高くなった。

表C.根菜類

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
さつまいも 生 理 ・カリの必要量が多く、鳴門金時など砂地栽培にも効果が高かった。
・肌色が鮮やかになり、形状がよくなった。
・ベニオトメの皮脈が少なくなり、皮色は赤味が勝った。
さといも 生 理 ・けい酸加里追肥により地上部の茎葉が生育後期まで健全で、増収効果が大きかった(愛媛)。
・子いもの肥大がよくなった。
ながいも 生 理 ・でんぷん価の高い、肌つやの滑らかないもが穫れた。
ばれいしょ 生 理 ・でんぷん価の高い、肌つやの滑らかないもが穫れた。
れんこん 生 理 ・根張りがよく、生立葉の枯れ上がりが遅くなった。
・基肥一発肥料にけい酸加里は好適、濃度障害軽減効果が高かった。
品 質 ・各節とも平均的に短く、太くなり、肉質が固く絞まって、良品質に仕上がった。
大根 生 理 ・収穫が早くなり、根の肥大が大きかった。
にんじん 生 理 ・洋にんじんの肌が鮮紅色となった。商品価値が向上した。
かぶ 生 理 ・旱魃抵抗性強化に効果があった。

表D.花き

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
生 理 ・茎葉が濃緑になり、茎長く、茎数が多くなった。
・秋ギクで一本当たりの生体重が増え、下葉の黄化枯れ上がりが少なくなった。
品 質 ・岡山の電照ギクで、けい酸加里は吸水量が少なく、黄変葉の現れ方も少なく、花は長持ちした。
・秋ギクでもけい酸加里区は葉の縮れ、黄化率を抑え、1.5~2日程長持ちした。
カーネーション 生 理 ・けい酸加里や緩効性肥料で施肥回数が減らせた。土壌のECも軽減した。
・坪当たりの採花本数が増えた ( ノラ、フランセスコで、けい酸加里区10%増収 )。
品 質 ・日持ち日数は、慣行区が6.0日、けい酸加里区は7.4日と良好だった。
チューリップ 生 理 ・新潟大学試験で、球根が肥大し、10%増収した。
シクラメン 生 理 ・葉柄が太く、硬くなった。
品 質 ・6号鉢に5~6g施用で葉硬く、花の活きがよく、日持ちするものができた。
・仕上げ鉢に、けい酸加里を施すことで日持ちがよくなった。
宿根かすみ草 品 質 ・茎葉が硬くなり花が大型になった。10a当り100㎏と多量施して効果が大きかった。香川高松市場で高く評価された。
・主茎の曲がりが少なく、茎も硬く、節間が短くなる。上物率調査で慣行区が68%に対し、けい酸加里区が82%。
ストック 生 理 ・福島で、一本当たりの重量が増大した。根は慣行区の20%増えた。
ゆり 生 理 ・球根の肥大がよく、5~7%増収した。

表E.果樹

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
みかん 生 理 ・静岡県柑橘試での4ヶ年試験によれば、 1 果重は明らかに重くなり、果肉歩合が高く、果皮色も良かった。健全な生育に欠かせない葉中のMg、Ca含有率は、けい酸加里施用によって高まった。
・ぼかし肥料に、けい酸加里を添加することで幼木の根張り、生長が促進された。
品 質 ・愛媛県の日照不足園では、けい酸加里施用で糖度が上がり、酸が下がった。
・北条市の伊予柑試験で果肉比が高くなり、酸の下がりが遅く、貯蔵性が高まった。
もも 生 理 ・新梢の伸びが早く止まる。下枝部分の着果が多くなり、増収した。
・葉を採取して、萎れと黄変の速度を調べた。けい酸加里区は8日後も活力高く、黄変葉も少なかった。
品 質 ・福島県でけい酸加里施用区の平均果重が約10%重くなった。糖度も指数で105になった。愛媛でも糖度、硬度ともに上がった。
りんご 生 理 ・信州大学で7年間もの長期試験実施。効果は雑誌「現代農業」でも紹介された。
・黒ボク土の樹枝は徒長しやすいが、徒長が調節され、作柄が安定するようになる。頂枝伸長量は、けい酸加里施用で明らかに小さくなった。
・試験3ヶ年経過では、地上部の生長よりも、根の発達が優り、収穫が安定し、隔年結果が少なくなった。
・果実の品質は、けい酸加里施用で糖度高く、酸が低くなった。
品 質 ・福島では新梢長が長く、糖度が高まった。
なし 生 理 ・根の張りが良くなった。カリ集積は起こりにくかった。
ぶどう 生 理 ・巨峰の脱粒率が下がった。
・岡山のグロー・コールマンで着色が進み、1果重が平均的に重くなった。
品 質 ・露地栽培のキャンベルアーリーで、上物が11%増となり、着色も良好である。糖度も0.5度上回った。
かき 品 質 ・島根の西条柿は脱渋処理後出荷するが、けい酸加里施用したかきは軟化が遅くなり、市場での評価が高かった。
いちじく 生 理 ・根張りが良くなって、旱魃抵抗性が強まった。

表F.特用作物

種   類 効果区分 施 用 効 果 例
生 理 ・晩霜被害が軽くすんだ。カリの贅沢吸収が少なかった。
・岐阜の“やぶきた”では1番茶収量が多くなった。
・幼木の根の張りが良くなり、成木化が進んだ。
品 質 ・鹿児島でうまみ成分「テアニン」が増えた。
こんにゃく 生 理 ・群馬で球茎、生子とも収量が多くなった。
・根の張りが良くなり、健全に育った。
・傾斜地や肥もち悪い畑でも流亡少なく、肥効が持続した。
品 質 ・腐敗などの不良球が少なくなった。
い草 生 理 ・い草はケイ酸の吸収が多いのでケイ酸の効果高い。
品 質 ・熊本の品質調査で硬さ、根上り、色沢で対照区に優った。